あいさつ

上小地域の教育・文化の発展をめざして     令和6年度 小県上田教育会会長  青木 辰夫

 令和六年度、小県上田教育会長を務めさせていただきます、青木辰夫と申します。皆様のご理解とお力添えをいただきながら、精一杯努めてまいりたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
本教育会は、今年度創立百四十年を迎えました。明治六年に学制が公布され、その十年後の明治十七年に創立されたわけですが、以来百四十年もの長きに渡って現在まで、この職能団体である教育会という組織とその活動が継続されてきたことを考えると、歴代の教育会長の先生方はじめ、学校教育に携わってこられた多くの先人の方々の教育に対するたゆまぬ努力、言い換えれば「子どもたちのために、学び続ける教師」を実践されてこられたからだと思います。また、教職に就く我々の考えや活動を保護者や地域の方々のご理解がなければ、ここまで長きにわたって継続してこられなかったと思います。本教育会140周年を迎えるにあたり、そのすべての皆様に、心からの敬意と感謝を申し上げます。
さて、今年度創立百四十年の節目にあたり、本教育会では「創立140年小県上田教育会沿革年表」を制作・発行する予定です。皆さんは、十年前に発刊された百三十周年の沿革年表をご覧になったことはありますか。各校に一冊は、寄贈されていますので時間があるときに手にとって見ていただければと思います。その百三十周年沿革年表の中に、昭和五十九年に「上小教育百年を語る」と題した座談会が開かれ、そこに参加されていた先生方の懇談内容が文章として起こされています。その中には、教育会創立当時の先生方が身銭きってこの教育会を設立したこと。昭和十三年には、他郡市に先がけて「教育会館」を建てたこと。しかも、どこからも寄付金を受けずに、会員の拠出金だけで建てたこと。田中小学校にあった明治の頃の学校記録には、子どもの算術(算数)の答案用紙が綴じてあって、その一枚一枚には、先生が朱の筆で、単に○×ではなく、丁寧に直してあったこと。など参加された先生方の知っておられるエピソードや体験談、裏話などを語ることを通して、今後の教育のあり方や教師としてどうあるべきか、などの思いが語られています。そして最後には、その時の教育会長が、次のような言葉でその会を締めくくられています。
「先生方のお話をずっとお聞きしながら、私自身の中に自分の教育的考え、信念、バックボーンというものがこれからは一層大事になってくると思います。そうでないと、日常茶飯事のことに目を奪われ、流されていってしまう。やはり、自分の学問を通してにじみ出てくる教育的なものを昔の人に学びながら、後輩に伝えていかなければと思います。」とされています。
子どもたちのことを第一に考え、教師として自身の職能向上に向けた熱い思いが、140年前から現在まで、この教育会という組織を母体に脈々と受け継がれてきていることを感じ取ることができました。我々はコロナで経験したように、今予測困難な時代で生きています。これからますます難しい時代になるかと思います。そうした社会の中心として活躍していくのは、今の子どもたちです。そうした子どもたちのためにも、教育に携わる我々の使命は重要です。だからこそ、学び続ける教師でなくてはならない、またそうでありたいと感じているところでございます。
 最後になりますが、大日方信濃教育会新会長は、雑誌『信濃教育』四月号で、武田前会長が「新たなる信州教育の創造」を理念に蒔かれた種は、すでに多くの芽が出始めている。これからは、新たな時代に向け、花を咲かせ実を結ぶ大事な時期を迎える。学校現場で子どもと真に向き合う先生方お一人お一人が、教育実践の主体者としての矜持を持ち、志を同じくする県下の多くの仲間とともに歩まれることを期待する、とされています。私たちも、今日をスタートに、子どもと地域社会のため、職能の向上と上小の教育・文化の発展を目指し、また本教育会が今後十年二十年百年と続いていけるように、新たな一歩を踏み出していきましょう。会員の皆様方の、ご理解と積極的なご参加を、よろしくお願いいたします。

(上田市立真田中学校)

本会刊行「上田小県誌」


本会発行『上田・小県』

ようこそ 小県上田教育会のホームページへ

小県上田教育会のホームページへようこそ上田市 東御市 小県郡内の小中特別支援学校における教育の発展のため当教育会は創立以来、教職員の研鑽の場として、その中核にあり続けてきました。これからも鼎が語った「自分が感じたものが尊い」のごとく子どもの可能性を広げる教育を探究していきます。

○目的
会員相互に協力して教養を深め教育力を充実し、教育の刷新と地方文化の進展に貢献すること
○主な事業内容
●会員の職能向上に関する事項教育の進歩改善に関する研究
●調査・協議講習・講演会ならびに研究発表教育
●学芸に関する助成児童生徒の研究助成に関する事項
●地方文化の進展に関する事項 ●石井鶴三美術資料室の管理
●教育に関する諸団体との連携 ●信濃教育会事業への協力

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お知らせ

2020年6月14日
リニューアル 新しい小県上田教育会サイトへ
2020年6月13日
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